医療用酸素不足のインドで特別列車が酸素を運ぶ 2021年5月3日

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新型コロナウイルスの第2波に襲われ感染爆発が起きているインド。医療崩壊のなかで人々が次々と感染し、酸素を求めてあえぎながら倒れていく現場の恐怖を、米紙「ニューヨーク・タイムズ」の特派員が伝えている。

火葬場は遺体であふれ返っている。まるで戦争が起きたかのように。炎は24時間、絶え間なく燃え盛っている。

多くの場所で集団火葬が行われ、ニューデリーでは夜空が明るく輝いて見える場所もある。病と死がそこらじゅうにあふれているのだ。

同僚のひとりが感染した。息子の学校の先生が感染した。2軒隣の家の人が感染した。反対側の2軒隣でも感染者が出た。

入院している友人は言う。

「どうやって感染したか、まったくわからないんだ。かすかに感じ……」

そこまで言って、彼の声は消え入った。それ以上しゃべり続けるのは無理だった。

彼はなんとか入院することができたが、必要な薬はいまインドのどこを探してもないと、医師に言われた。

私は自宅にこもりながら、自分の番が来るのを待っているかのようだ。それが、世界最悪のコロナ危機に見舞われているニューデリーで、いま感じている気分だ。

ウイルスはすぐそこにいる。そして私はここにいて、自分が倒れるのも時間の問題だと思っている。
病院で門前払いされる感染者たち

インドでは1日あたりの感染者数が40万人を超え、世界最多を更新し続けている。しかも、その公式発表の数字さえ、実際の感染者数より低すぎるだろうと、多くの専門家が指摘している。

とくに深刻なのは、人口2000万人の首都ニューデリーだ。先日には陽性率がなんと36%を記録。つまり、検査を受けた人の3人に1人以上が感染していたということだ。ちなみに、約1ヵ月前の陽性率は3%にも達していなかった。
感染拡大が急速に進んだため、病院はパンクしている。何千人もが門前払いされ、医薬品は底をつき、医療用酸素もなくなった。感染者は病院前の長蛇の列に並ぶか自宅療養を余儀なくされ、文字どおり酸素を求めてあえいでいる。

ロックダウンされているにもかかわらず、コロナの猛威は止まらない。

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